スキンケア用品の選び方
星の数ほどある種類から自分の肌に合ったスキンケア用品を見つけ出すのは大変です。いろいろ試して使えるのであれば、それに越したことはないですが、短い頻度でいろんな成分を肌に入れるのはあまり良い方法ではありません。それが原因で荒れることもあるそうです。
まず大事なのは自分がどんな肌なのかを知ること。そしてどんな肌になりたいかを考えて選ぶことです。
肌に関して、自分の悩みはどういったことなのか。肌荒れが気になるのか、ハリがほしいのか、潤いがほしいのか。それによって自分にとってどれが「良いスキンケア用品」になるのか、だいぶ絞られてきます。
そして次に気にするのが成分です。自分のなりたい肌に対して、どんな成分が使われているのかをきちんとチェックすることが大事だと思います。
◆洗顔料・クレンジング
洗顔、と考えると一番に考えるのは「洗浄力」ではないでしょうか。1日の汚れやメイクが落ちきらないと、肌トラブルに繋がりますので当たり前です。
でも、ちょっと待ってください!
以前シャンプーの成分について記事にしたときにも記述しましたが、「洗浄力の高さ」には注意が必要です。特に市販されているリーズナブルで洗浄力が高い洗顔料には要注意。強力な合成界面活性剤が使用されている可能性があります。
そもそも界面活性剤って??
界面活性剤とは、簡単にいうと「水」と「油」のように本来は混ざり合わないものを混ぜ合わせるために使用します。日用品にはほとんど入っていますし、入っていなければその効果をなさないので、まったく入っていないというものはほぼ存在しません。大事なのは、どんな界面活性剤を使っているか。ということです。天然物質として、自然界に存在する天然界面活性剤ではなく、いわゆる「合成界面活性剤」といわれ、人の手で科学的に合成された界面活性剤は危険です。
合成界面活性剤はなぜ危険か?
合成界面活性剤は皮膚のバリアゾーンを壊して皮脂腺の機能を低下させ、皮脂が分泌されなくなると次第に乾燥してきます。バリアゾーンが壊れたあとは通常では皮膚から取り入れられない危険性の高い化学物質(発ガン性物質・環境ホルモン)が体内に取り込まれ、合成界面活性剤と共に脂肪や肝臓に蓄積されます。
<合成界面活性剤>…ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなど。複雑な化学式のような名前は合成の可能性大!
<天然界面活性剤>…大豆レシチン、グリセリン、ミツロウ、石けん素地など
天然界面活性剤は肌に対しては安全ですが、その分洗浄力は低くなります。洗いあがりが「さっぱり」するような感覚は、洗浄力の高い証です。安全性が高い分、洗い上がりはしっとりする感じがします。
◆化粧水
いろんな成分が配合されているので、自分の欲している成分が入っているかを確認して選びます。このとき、一緒に気にするべきなのが防腐剤に関してです。
<パラベン・パラベン化合物>…人間のホルモンを狂わす環境ホルモンの疑いがある。刺激が強く、つけた後に湿疹やかゆみを引き起こす。
<安息香酸・安息香酸Na>…皮膚や粘膜、目や喉に刺激があり、安息香酸化合物は変異原性染色体異常の報告もある。毒性が強い。
<フェノキシエタノール>…パラベンの代わりに用いられることが多い。パラベンよりも毒性は低いが刺激は強い。
上記の防腐剤が成分表に書いてあった場合は注意が必要です。成分表は基本的に多く配合されている成分から順番に記載されているので、あまり多く含んでいないものや、防腐剤フリーのものが理想です。
※原料の栽培やエキスを抽出する際に使用した科学物質が原料に残ることをキャリーオーバーといい、薬事法ではこのキャリーオーバーの成分は表示しなくてもいいことになっています。キャリーオーバーの成分は本当にごく少量で、それで肌トラブルを引き起こす人はほとんどいませんが、キチンとお客様のことを考えている会社はこのキャリーオーバーの成分も記載しているので、そういった表示の仕方もチェックしてみるといいと思います。
防腐剤・保存料が入っていないものはアレルギーや肌トラブルが少ない反面、品質の劣化が早かったり雑菌が繁殖しやすいので、保存方法に気をつけて出来る限り早く使い切らなければいけません。
◆保湿クリーム
本来分離してしまう「水」と「油」ですが、これを混ぜることを「乳化」といい、ここでも必要になるのが「界面活性剤」です。
<乳化剤として使われる合成界面活性剤>…トリエタノールアミン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸塩、ノニフェノールなど
上記の成分に注意するのと併せて、鉱物油ではなく植物油をベースにしたクリームを選ぶことが大事です。植物本来のパワーを最大限に活かすため、精製方法も重要。途中で捨てられてしまう成分にも大きな効果をもつ植物エキスが詰まっている可能性があるので、精製されすぎない方が肌への効果は大きいです。
一方鉱物油は皮膚呼吸を妨げて肌の老化をまねき、肌本来のバリア機能を少しずつ壊しながらシミやシワを作ります。生産過程で毒性の強い化学物質が発生するので、環境にも悪いといわれています。「ミネラルオイル」と表示されていると肌に良いイメージですが、これも鉱物油なので紛らわしい表示の仕方にも注意です。
<鉱物油>…流動パラフィン、ベンジルアルコール、エステルなど
どのスキンケア用品も、100パーセント無害というのはほぼ難しいと思います。大事なのはどんな方法でなんの成分がどのくらい入っているか、をちゃんと確認することです。たくさんある成分をひとつひとつ覚えていくのは大変ですし、あまり突き詰めすぎてしまうとなにも使えなくなってしまうので、基本的なことだけでも理解して、自分の求めるスキンケア用品を選べるようになりたいです。