「ヒロイン志望」をやめるまで
はてなブログさんのイベントがたまたま目に入って、テーマが面白そうだったので書いてみようと思う😋
人生方向音痴な私は、今までも迷って迷って迷いまくり。
たくさん迷子になってきた中で、これが大きかったな~と思うエピソードを書いてみたい。
ヒロイン志望のはずが、ヨゴレ役
14歳からお芝居を本格的に勉強し始めた私は、当初バリバリのヒロイン志望だった。
じゃあそれだけのポテンシャルがあったのかと聞かれると、声を大きくして言いたい。
「答えはNOだ!!!!」
前に部屋の掃除をしていたら、当時のプロフィール資料が出てきたので、思い切って晒してみようと思う。
とても、たくましいです。
スカートだけ、ちょっとAKBっぽいね。
それでも私は、「私ならヒロインを演じられる!」と思っていた。
ヒロインは物語の軸としていろんな表情もできるし、なんたって可愛い。ヒロインを演じられれば、たくさんの人に愛されるだろうと思っていたのだ。
いつの日かヒロインを演じるその日のために、もっともっと表現力を鍛えたいと、高校はパフォーマンス科という特殊な学科があるところに入学し、朝から晩まで勉強もせず稽古に明け暮れてた。
毎月何かしらのイベントに出演するような学科だったが、その中で最も大きなイベントが、年に2回の舞台公演だ。
学科全員でキャストオーディションをし、先輩後輩関係なく配役は決まっていく。
希望キャストは立候補制で、第三希望まで紙に書いて提出するのだが、高校2年生の時のある日、私は先生に呼び出された。
理由は、私が第三希望までガッツリと「綺麗ドコロ」の役に希望を出したことだった。
先生は真っすぐに私を見て、「みくは自分のことをわかっていない」と言ってきた。
やりたい役とできる役は違うと。せっかく面白いキャラクターなのに勿体ないと。
私は「はぁ…」としか言えなかった。
先生の説得も空しく、結局私は希望キャストを一切曲げずにオーディションに挑んだ。
美人じゃなくても、その辺は演技力を磨けばカバーできると謎の自信に満ち溢れてた。
そして配役発表の日、ドキドキしながら待っていた私に告げられた配役は、
山籠もりしている花火職人の役だった。
このワードでピンと来る人がいるかわからないが、当時の舞台は「大江戸ロケット」という劇団新感線さんの作品で、私が演じることになったのは橋本じゅんさんという素晴らしい俳優さんが演じた「鉄十」という役だった。
元々がおっさん設定の役のため、女子高生である私が演じるには「衣装は布切れにして、腹を出して、顔を汚して女ターザンの設定にする」と先生に通達されたときは目の前が真っ暗になった。
今思えば、めちゃくちゃ面白くてオイシイ役だけど、当時の私はなんたってバリバリのヒロイン志望だったので、嫌すぎて泣き崩れた。
この稽古がまあ~~~~~~~過酷で。
私の人生において1,2を争うくらいの経験だったと思う。
ガッツリ芝居の話になってしまうので、詳しくは割愛するが、最終的に元々の台本を全部カットし、「みくが台本書いて仕上げてきて」と投げられたのだ。
ちなみにその台本は「大江戸ロケット」を再演する際、未だに私が書いたものが使われてる。先生曰く、「みくほどやってくれる人がいない」そうだ。へへへ。
何度も何度も辞退しようか、もう逃げだしてしまおうかと葛藤したけれど、ここまできたらもうやるしかない!!!と腹をくくった。
当時初めて彼氏ができて、私の悲惨な姿を見られてしまうけど、フラれたら先生のせいにしてやると。
そして迎えた本番。
私は山籠もりしてる女ターザンの役を全力で演じきり、そのシーンはたくさんの笑いで包まれ、なんとか大成功に終えられることができた。
意外なリアクション
終演後には毎回全員で外に出て、お客さんにお礼を言いながらお見送りをする。
たくさんの人が見に来ているので、自分の身内以外はほとんど知らない人たちばかりなのだが、そんな中で信じられない言葉をかけられたのだ。
「めっちゃ、愛おしかった~~~~~!!!」
もちろん、「面白かった」や「めっちゃ笑った」と声をかけてくれる人が多いんだけど、「愛らしかった」「好き」と言葉をかけてくれる人もたくさんいたのだ。
舞台上で汚れている分、「可愛さ」の期待値が下がるのか、「やだー!思ったより可愛い子がやってたのねー!」と言ってくれる人もいた。(笑)
ヒロインをやれば、たくさんの人に愛されると思っていた。
腹を出して、顔を汚して、「可愛い」とは真逆の役を演じた日にゃ、きっと馬鹿にされるだろうと思ってた。
でも違った。
“可愛いこと”と“愛されること”は、イコールじゃないんだ。
ということに、初めて気付いた。
そしてこの時の経験を境に、私は「ヒロイン志望」をやめた。
ヒロインだから、可愛いから、愛されるのではない。
私には私の活かし方があるのだ。
それ以降は三枚目の役や、自分が「面白そう」と惹かれた役に進んで立候補するようになり、いろんな人に愛されるようになった。
私はこれを、なにも役者に限った話ではないと思ってる。
「私は可愛くないから、モテないんです」
「彼氏をつくるためには、可愛くならないと」
という言葉をよく耳にするけど、“外見の可愛さ”と“内面の愛され力“は必ずしも比例しない。
大切なのは自分のことを理解して、自覚した上で拗ねずに良さを認めることだ。
大人になってくると物事に対して斜に構える癖がつくので、これが意外と難しいのよね😂(笑)
可愛いかどうか、は好みが人それぞれなのでわからないけど
愛されるかどうか、なら答えはひとつしかない。
「答えはYESだ!!!!」
とっとと認めて、とっとと愛されてしまおう。
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